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事業環境 / 2026年8月資料

地域の数字から、現場で確かめる問いへ

窓改修の申請が多い地域と、地域の住宅に占める申請の割合が高い地域は違います。担当者は次に誰と会い、どんな一件を聞けば、その地域で必要な仕事が見えてくるでしょうか。地域を選び、研修と実践の出発点を考えます。

担当する都道府県を選ぶ ↓
同じ二つの地域でも、見えるものが変わる

2025事業の申請戸数

東京33,398戸
福井5,577戸

2023年の専用住宅数に対する申請の割合

東京0.4659%
福井1.9925%
先進的窓リノベ2025事業。上段は戸数、下段は割合で、それぞれの2地域を比較しています。
住宅市場の変化 / 2006年から2025年

人口が減った地域にも、維持・改修を考える住宅が残る

2006年から2025年に、人口が増えたのは関東だけでした。一方、新設住宅の着工戸数は8地域すべてで減り、一般世帯数と総住宅数は推計上すべての地域で増えました。

地域別の増減率(2006年比、2025年)
地域総人口一般世帯数新設住宅着工戸数総住宅数
北海道−11.0%+3.8%−53.5%+9.5%
東北−15.6%+6.3%−48.8%+8.5%
関東+4.5%+23.6%−40.4%+24.4%
中部−6.3%+14.5%−46.3%+17.3%
近畿−4.1%+14.3%−39.6%+15.9%
中国−9.7%+8.0%−46.3%+11.6%
四国−14.2%+2.9%−52.4%+10.4%
九州・沖縄−5.7%+11.5%−39.1%+16.1%

総人口は2006年の人口推計と2025年の国勢調査速報、着工は両年の年間実績です。一般世帯数は2005・2010年の国勢調査から求めた2006年値と、社人研の2025年推計を使用。総住宅数は2003・2008年の住宅・土地統計調査から2006年値を補間し、2018・2023年の変化を延長して2025年値を推計しています。

同じ「住宅が増えた」でも、商圏で何を聞くか

関東で共同住宅の窓改修を検討するなら、管理組合が工事を決める手順と、施工を担える事業者を確かめます。四国で高齢世帯の住み続ける家を支えるなら、まず所有者が望む改修と、職人が移動できる範囲を聞きます。地域の数字は、こうした現地確認の入口です。

資料『日本8エリアの人口・世帯・住宅市場構造』2026年8月18日版(資料の基準日は8月4日)、5・7〜11・24頁。

都道府県別のデータ / 制度利用と担い手

申請が多い地域と、住宅数に対して申請が多い地域を比べる

2025事業で申請された住宅の戸数を、2023年の専用住宅数と並べています。全国の値は各都道府県の戸数を合計して求めています。

東京都のほうが申請戸数は多く、住宅数に対する申請率は福井県のほうが高くなっています。

全国と選んだ地域の比較
指標・単位全国東京都福井県
専用住宅数
2023年・戸
54,893,1007,168,000279,900
申請戸数
2025事業・戸
364,44833,3985,577
申請顕在化率
専用住宅全体・%
0.6639%0.4659%1.9925%
戸建の申請顕在化率
一戸建・%
1.0262%0.9251%2.3303%
集合住宅の申請顕在化率
長屋建+共同住宅・%
0.2691%0.3078%1.0196%
住宅改修関連従業者密度
専用住宅1万戸当たり・人
74.4257.74109.86
住宅サッシ・防火戸の掲載事業所数
2025年4月・事業所
3,42719156
MADOショップ掲載件数
2026年8月・件
9555911
数字の範囲と計算方法

申請顕在化率は、先進的窓リノベ2025事業の確定申請戸数を、2023年10月の住宅・土地統計調査の専用住宅数で割った割合です。住宅種別の率は、分子・分母の両方をその種別に絞ります。重複を除いた改修済み住宅の割合や、工事の完了率を表す指標ではありません。

住宅改修関連従業者密度は、2021年経済センサスの木造建築工事業・建築リフォーム工事業・大工工事業の従業者を合計し、同じ地域の2023年専用住宅1万戸当たりに換算した値です。事務・営業なども含むため、窓工事に入れる人数や現場の空きは別途確かめます。

掲載事業所数は、建築開口部協会が2025年4月8日基準で掲載した住宅サッシ・防火戸の取扱い事業所数です。支店・営業所を含み、登録番号ごとに1事業所を数えています。

MADOショップ掲載件数は、2026年8月11日に公式の都道府県別ページで確認できた件数です。全国欄の955件は件数を確認できた46都道府県の合計で、沖縄県は未確認です。

地図の次に確かめること 戸建と集合住宅のどちらで差が開いていますか。その地域の流通店に最近の案件を聞き、相談、見積もり、施工日の調整のどこで進み、どこで止まったかをたどります。

47都道府県の数値を一覧で読む
都道府県別の住宅・申請・供給基盤
都道府県専用住宅数
2023年・戸
申請戸数
2025事業・戸
申請顕在化率
専用住宅全体・%
戸建の申請顕在化率
一戸建・%
集合住宅の申請顕在化率
長屋建+共同住宅・%
住宅改修関連従業者密度
専用住宅1万戸当たり・人
住宅サッシ・防火戸の掲載事業所数
2025年4月・事業所
MADOショップ掲載件数
2026年8月・件
北海道2,384,10020,2350.8487%1.2453%0.4302%79.1518024
青森県478,6003,7990.7938%0.9596%0.2982%117.91664
岩手県467,3004,1210.8819%1.1489%0.2051%118.55508
宮城県974,0008,6420.8873%1.3151%0.3667%91.197215
秋田県360,0002,6460.7350%0.8860%0.1682%124.22476
山形県382,0005,6701.4843%1.7690%0.6032%121.755712
福島県712,2007,5491.0600%1.3523%0.3752%119.467717
茨城県1,169,4007,1430.6108%0.7962%0.1819%86.258325
栃木県788,2006,2730.7959%1.0541%0.1690%88.186716
群馬県786,4006,2510.7949%1.0061%0.2216%100.366112
埼玉県3,167,60015,6990.4956%0.7194%0.2378%77.7316750
千葉県2,756,50014,2060.5154%0.7351%0.2749%71.4511235
東京都7,168,00033,3980.4659%0.9251%0.3078%57.7419159
神奈川県4,235,60016,9610.4004%0.6343%0.2421%65.1717346
新潟県833,00013,1151.5744%1.9454%0.5504%140.1311019
富山県393,3006,0321.5337%1.9447%0.3911%114.775829
石川県454,1006,1841.3618%1.8924%0.2254%104.056822
福井県279,9005,5771.9925%2.3303%1.0196%109.865611
山梨県328,5003,3881.0314%1.3562%0.2226%93.334512
長野県806,20010,9241.3550%1.7132%0.3869%101.826822
岐阜県754,0007,3290.9720%1.2452%0.1976%94.857915
静岡県1,427,00010,1210.7093%0.9421%0.2787%90.0511727
愛知県3,170,80017,5930.5548%0.9152%0.1869%74.4618245
三重県715,7005,4690.7641%1.0262%0.0890%65.076015
滋賀県572,0005,5620.9724%1.3409%0.2637%71.754115
京都府1,161,0007,9660.6861%1.0622%0.2621%61.446913
大阪府4,148,30017,1500.4134%0.6803%0.2405%54.2913951
兵庫県2,372,60018,6320.7853%1.2070%0.3765%57.119053
奈良県536,5004,4160.8231%1.0283%0.4024%57.542325
和歌山県377,0002,4970.6623%0.8552%0.1081%62.476112
鳥取県216,8004,1641.9207%2.5817%0.2484%84.09313
島根県259,4003,1471.2132%1.5848%0.3376%105.24418
岡山県782,4006,2180.7947%1.1381%0.1418%75.376015
広島県1,211,6009,1320.7537%1.1465%0.2814%76.728016
山口県576,3003,6710.6370%0.8422%0.2335%71.94468
徳島県296,2002,3350.7883%1.0642%0.1767%70.493019
香川県391,4003,8600.9862%1.3581%0.2596%80.333319
愛媛県575,2003,9470.6862%0.9551%0.1758%72.203218
高知県301,3001,6980.5636%0.7766%0.1165%66.643114
福岡県2,327,70011,7360.5042%0.8528%0.2479%65.1111240
佐賀県305,9002,6100.8532%1.1442%0.2289%86.113711
長崎県528,2003,8160.7225%1.0360%0.1730%86.505213
熊本県706,0005,0630.7171%1.0506%0.1700%87.255715
大分県478,7002,7490.5743%0.8896%0.0907%68.922914
宮崎県455,7002,0090.4409%0.6059%0.0910%69.633910
鹿児島県699,0003,5810.5123%0.6930%0.1650%67.054317
沖縄県621,5001640.0264%0.0551%0.0095%39.865未確認
事業所・店舗と住宅種別を重ねて見る

相談先の数と、申請まで進んだ住宅を見比べる

掲載店舗・事業所の数は、相談先の候補を探す手がかりになります。戸建と集合住宅の申請率を並べると、その地域でどちらの仕事を詳しく聞いてみるかが見えてきます。

東京都の集合住宅は、どのくらい申請されたか

2025事業で東京都から申請された戸数のうち、集合住宅は48.9%でした。一方、東京都の集合住宅ストック全体のうち、同事業で申請された戸数の割合は0.3078%です。前者は「申請の内訳」、後者は「地域の住宅に申請がどこまで広がったか」を読む数字です。

次の一件で確かめること 集合住宅の改修を相談された流通店に、直近の一件を聞く。誰が管理側と工事条件を確認し、見積・施工日・申請をそろえたか。途中で止まったなら、次に誰から何を聞ければ進んだか。県の数字は聞き取り先を選ぶ手がかりにし、店の役割や詰まりは本人に確かめる。

① 地域の流通店が担う仕事を比べる ③⇆④ 一件の事実を対話で確かめる

時点・分母と、比較できる範囲
  • MADOショップ 2026年8月11日時点の公式都道府県ページの表示数を集計した955件。沖縄県は表示件数を確認できず、原図では暫定的に0件とした。店舗の有無は別途確かめる。
  • JBOA 2025年4月8日時点の住宅サッシ・防火戸の掲載登録3,427件。登録番号ごとに数え、同一企業の支店・営業所などを含む。掲載を希望した事業所が対象。「都道府県別件数」と「件数ランキング」は同じ集計の並べ替えで、「集計監査」は登録番号の県境で件数を検算している。二つの名簿には重なり得る拠点があり、掲載数の合計から独立した事業者数は求められない。
  • 三つの申請顕在化率 2025事業の申請戸数を2023年の住宅数で割り、百分率で示す。全住宅の分母は専用住宅、戸建は一戸建、集合は長屋建と共同住宅の合計。全住宅にはその他の建て方も含まれる。同じ住宅への複数申請があり得るため、制度に表れた戸数の比として読む。改修済み住宅の実数や各店の受注率には別の調査が要る。
  • 比較から分かること 地図ごとに色の境界が違うため、同じ指標の列で数値を比べる。掲載件数や申請率から、個社の実働施工班・空き日程や、どの店が申請につなげたかは特定できない。
監査表の「余地」を現場の問いに変える

47都道府県の監査表は、条件が近い県の参照率を使って「市場側潜在余地」と「現条件下余地」を戸数で並べている。東京都では前者が約1,864戸、後者が0戸。この差は比較条件を変えたときの試算である。実際の案件数を見積もるには、相談件数やその後の進み方を別に調べる。調べたいのは、相談が届いていないのか、工事条件の確認で止まるのか、施工日を組めないのかという現場での違いである。

資料 「5種ヒートマップ比較」pp.2–8、「2025申請顕在化率」pp.2、8–10、JBOA掲載事業所数の県別集計・集計監査、47都道府県「可能性と制約」監査表。

事業環境から経験設計へ

担当者に何を調べてもらい、どの判断を任せるか

例 県の数字から、確かめる問いを分ける集合住宅の申請が少ない商圏
  • 相談が
    少ないのか
  • 相談が工事まで
    進みにくいのか

必要な支援は、理由で変わります。次の順で、一件の仕事から確かめます。

① 流通店の違いを確かめる

相談を受けているのは誰か

地域の流通店を業態別に見て、普段の取引先と扱う住宅の違いを聞く。集合住宅の相談を実際に扱った店があれば、その店がどこまで引き受けているかを確かめる。

①の実務負荷へ →
② 対象と目的を決める

その店と、誰の何を変えたいか

直近の一件を取り上げる。元請が工事の可否を施主に伝えるまでに時間がかかったなら、流通店と一緒に、どの確認を早めると役に立つかを仮置きする。

②の実務負荷へ →
③⇆④ 理由を聞いて相手に返す

どの働きかけが役に立ったか

元請が実際に助かった場面を聞き、流通店の担当者に返す。担当者の話と照らして、最初の見立てを直す。そこから取引先全体や工程ごとの支援に進む。

③⇆④の実務負荷へ →

上の場面は研修を設計するための例です。実践記録では、本人の働きかけと相手の反応を一件ずつたどれます。y値は、実践のなかで判断を引き受けられる状態を表します。

資料と集計時点

このページの根拠

2026年8月に整理された資料の数値を使っています。比較の基準は各指標の欄に記しました。

分析資料4点と照合用の集計表3点
  • 「2006年から2025年の変化が示す日本8エリアの人口・世帯・住宅市場構造」ver38。地域の増減率と実績・推計の区分。
  • 「先進的窓リノベは各都道府県の住宅ストックに対してどこまで顕在化しているのか」ver22。申請戸数、専用住宅数、住宅種別の割合。
  • 「住宅改修関連従業者密度とは何か」ver17。広義の住宅改修基盤の定義と地域比較。
  • 「5つのヒートマップ比較」ver7。相談接点、取扱事業所、全住宅・戸建・集合住宅の申請顕在化率を比較。
  • 都道府県別施工供給基盤の集計表 ver10。住宅種別申請、関連業種従業者数と集計時点を照合。
  • JBOA住宅サッシ防火戸の都道府県別掲載事業所数。2025年4月8日付名簿の掲載件数を照合。
  • 「47都道府県 可能性と制約 監査表」2026年8月11日版。都道府県別の実績値と参照条件から算出した推計値を区別。
資料間で表記が異なる値の扱い

新潟県の全住宅の申請顕在化率は、一部の図表で1.5714%と記されています。比較表では申請13,115戸を専用住宅833,000戸で割り、1.5744%としました。住宅種別の全国率は、都道府県別集計表の戸数を積み上げて計算しています。

新設住宅着工戸数は、8地域資料の統計の説明(5頁)と着工の年次比較(10頁)に従い、両年とも年間実績として扱っています。