善之巡環の考え方
何をつくり、誰に届け、次の仕事に何を戻すか
出発点は、製品やサービスを受け取る相手の仕事や暮らしです。「善」「巡」「環」の三つの字から、価値が届いた先をたどります。
善必要な価値をつくる
使う人は何に困っているか。品質、価格、供給の仕方まで考え、相手が使って初めて役立つものをつくる。
巡成果が関係者に届く
顧客は何を得たか。供給や販売を担った取引先、そこで働く人、地域にはどんな利益が届いたかを見る。
環得たものを次に生かす
築いた信用、生まれた知恵、得た利益を、次の改善や人の育成に使う。そこで新たな必要に応えられるようになる。
「成果三分配」では、誰に何が戻るのか
事業で生まれた成果を、受け取る人の側から見てみます。
- ユーザーへ
- より良い製品を、手に取りやすい価格で安定して届ける。
- 取引先へ
- 流通や材料・設備の供給を担う会社にも利益が残り、次の供給や販売を続けられるようにする。
- 社員・自社へ
- 報酬として人に返す。事業に残した利益を、人の育成、設備、研究開発に使う。
関係図 / リーダー編 1頁
価値が生まれ、次の挑戦へ戻るまで
働きを選ぶと、関係する五つの言葉を読めます。
挑戦から実現へ 「壮絶な探究」必要だと分かっても、そのままでは応えられない仕事があります。どこで何が妨げになっているかを現場でたどり、方法を変え、相手に役立つところまで確かめる。リーダー編はこの探究を、挑戦と実現をつなぐ核に置いています。
この巡環が生むもの 世のなかに役立つ→信用・信頼が蓄積する→事業が継続する
新築樹脂窓の事業で、成果が誰にどう戻ったかを読む →
言葉の索引 / リーダー編 2頁
30の言葉を、六つの働きから引く
各欄に、掲載号、リーダー編の言葉と意味、仕事に置き直した例を示します。
世の中の必要を見いだす5つの言葉
誰の仕事で何が起き、どこに支援の余地があるかを確かめる。
VOL 627
自然から原理原則を導き出す
ものづくりの土台を自然に学ぶ
仕事での例自然の仕組みをよく観察し、ものづくりに生かせる原理を考える。
この言葉を企画で使う →他社がやらないことに挑む5つの言葉
役に立つと分かっていても、誰も手をつけてこなかったことを引き受ける。
VOL 608
新たな知見を求め続ける
既存の枠を超えて学び続ける
仕事での例今のやり方で解けないことを、別の仕事や分野を知る人に尋ねる。
この言葉を企画で使う →VOL 609
答えのない状況を楽しむ
不確実さの中でも探究を続ける
仕事での例答えが定まらないとき、次に何を確かめると分かりそうかを考えて試す。
この言葉を企画で使う →VOL 619
探究心と情熱
内側から湧く熱で挑戦を続ける
仕事での例自分がなぜ気になるのかを言葉にし、分かるまで繰り返し問い直す。
この言葉を企画で使う →VOL 629
なしたもんだ
自分を問い直し、傲慢さを戒める
仕事での例一度成果が出ても、自分は何を分かっておらず、誰に支えられたかを振り返る。
この言葉を企画で使う →他社ができないことを可能にする5つの言葉
何が実現を妨げているかをたどり、自分たちの仕事の仕方を変えて応える。
VOL 606
不易流行
不変の軸と変化への適応を両立する
仕事での例守りたい目的を定め、現場の条件が変わったときには方法を選び直す。
この言葉を企画で使う →VOL 611
川上遡上主義
源流まで遡り、本質からつくる
仕事での例最後の工程だけを直しても解けないとき、設計や材料など起点までさかのぼる。
この言葉を企画で使う →VOL 618
野戦の一刀流
現場で即応し、打開する
仕事での例想定と違う事態が起きたら、現場の事実を見て、その場で打てる手を選ぶ。
この言葉を企画で使う →VOL 628
大いなる夢の具現化
理念を愚直に実現し続ける
仕事での例実現したい姿を日々の仕事に置き換え、うまくいかない点を直しながら続ける。
この言葉を企画で使う →独自の仕事を担う人と組織を育てる5つの言葉
現場の人が判断して挑戦できるよう、考える時間、役割、支援を整える。
VOL 604
森林経営
個性を活かし、自律的に育つ組織
仕事での例異なる強みを持つ人に、それぞれが自分で考えて動ける役割を任せる。
この言葉を企画で使う →VOL 613
車座集会
語り合いを通じて哲学を共有する
仕事での例立場の異なる人が、経験した出来事と、そこで大切にした考えを持ち寄る。
この言葉を企画で使う →社会に役立ち、信用を積み重ねる5つの言葉
今日の仕事が、相手の暮らしや地域の明日にどう役立つかを考える。
VOL 607
土地っ子になれ
地域に深く根差し、信頼を築く
仕事での例地域で働く人の声を聞き、その土地で長く必要とされる関わりを続ける。
この言葉を企画で使う →VOL 610
地域社会との共生
社会貢献を繁栄の土台にする
仕事での例事業を進めるとき、地域の人にとってどんな助けになり、何を負担させるかを考える。
この言葉を企画で使う →VOL 625
社会と幸福を結ぶ架け橋
事業を社会価値につなげる
仕事での例製品を渡した先で、誰の暮らしをどのように良くできたかを確かめる。
この言葉を企画で使う →VOL 626
互いを認め合う組織
支配でなく自律で育つ関係
仕事での例相手の工夫や強みを認め、それを生かす次の仕事を本人と一緒に決める。
この言葉を企画で使う →学びを継承し、次の価値へつなぐ5つの言葉
失敗や先人の経験から何を学んだかを残し、次の人が使える形で渡す。
VOL 605
次代を担う人財
挑戦する人を前線で育てる
仕事での例次を担う人が現場で考え、試して、その結果を引き受ける機会をつくる。
この言葉を企画で使う →VOL 622
偉人の伝記や体験の昇華
学びを自分の哲学へ変える
仕事での例先人の経験を読み、自分が次に似た場面を任されたら何を大切にするかを考える。
この言葉を企画で使う →VOL 630
創業者の言葉を自分の指針にする
哲学を自ら再構築して生きる
仕事での例受け継いだ言葉を、自分の現場で何を確かめ、どう決めるかに置き換える。
この言葉を企画で使う →
実証モデルとの接点
相手の利益を起点に、本人に何を任せるか
エリアチャネル改革リーダーの研修・実践を7年かけて開発してきた背景には、この考え方があります。たとえば、元請から「早くて助かった」と聞いたら、営業に理由を教える前に、本人が担当者と一件をたどれる場をつくります。
研修で本人が考える誰の、何に間に合ったのか。元請が助かった場面を一つ選び、当日その仕事を担った人に聞く問いを準備します。
現場の相手から学ぶ実際には、何を先に確かめていたか。担当者の話を聞くと、最初の見立てと違う理由が出てきます。その違いが次に本人の確かめることになります。
30の言葉は、こうした仕事をどう見るかの手がかりです。モデルの①〜⑩は、本人がその判断を引き受けるための経験の順序です。各段階には、関係する言葉と実際の記録を併記しました。
新築向け樹脂窓で、施主・元請・流通店に価値を届けた仕事を読む →
善之巡環と実践記録
提案や受注の後で、誰の仕事を確かめるか
施主に代替案を届ける手順が決まった一件と、工務店から一括受注できた一件。相手が望んだことに立ち返ると、その後、誰に何を聞くかが見えてきます。
実践者A / 代替案を届ける手順施主が選べるうちに提案が届くか
施主の希望に合う別の納め方が見つかった。流通店との会議で、営業が工事担当にほかの現場への影響を聞き、元請の予算・工期を確かめて、仕様を決める期限を添えて提案する手順が決まった。
次に確かめること 元請にはいつ代替案が届き、施主が選ぶ時間はどれだけ残ったか。記録で追えるのは、手順を決めたところまでです。
実践者Aの会議を読む →
実践者E / 一現場の一括受注発注をまとめた工務店の手間は減ったか
対象の工務店は、残業とコストを減らしたいと考えていた。実践者Eはその事情を聞き、流通店が一つの現場で複数の資材をまとめて受注したことを確かめた。
次に確かめること その現場で工務店の手配や残業はどれだけ減ったか。流通店が次も引き受けるには、誰の時間がどれだけ要るか。
実践者Eの目標と受注結果を読む →
各事例の経過は本人の実践記録による。「次に確かめること」は経験設計のための問いです。
リーダー編 / 関係図と言葉の索引
「善の巡環」を動かす30の言葉の関係
リーダー編 ver3 の1頁には、六つの働きがどうつながるかが、2頁には、30の言葉の意味と掲載号がまとまっています。
六つの働きの関係をたどる →30の言葉を仕事での例から読む →
表記と掲載号について
サイトの見出しには「善之巡環」、リーダー編の資料名と引用には紙面の表記「善の巡環」を用いています。言葉の掲載号と分類はリーダー編2頁に従っています。1頁の関係図では、自律して育つ働きを人と組織の育成にも結んでいます。