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善之巡環

「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」
YKKの企業精神「善の巡環」 リーダー編 1頁

誰かが必要としていても、まだ引き受ける人のいない仕事がある。その必要を現場で見いだし、実現できる方法を探り、次の人が使える形で渡していく。リーダー編は、この仕事と事業の巡り方を30の言葉で結んでいます。

善之巡環の考え方

何をつくり、誰に届け、次の仕事に何を戻すか

出発点は、製品やサービスを受け取る相手の仕事や暮らしです。「善」「巡」「環」の三つの字から、価値が届いた先をたどります。

善

必要な価値をつくる

使う人は何に困っているか。品質、価格、供給の仕方まで考え、相手が使って初めて役立つものをつくる。

巡

成果が関係者に届く

顧客は何を得たか。供給や販売を担った取引先、そこで働く人、地域にはどんな利益が届いたかを見る。

環

得たものを次に生かす

築いた信用、生まれた知恵、得た利益を、次の改善や人の育成に使う。そこで新たな必要に応えられるようになる。

「成果三分配」では、誰に何が戻るのか

事業で生まれた成果を、受け取る人の側から見てみます。

ユーザーへ
より良い製品を、手に取りやすい価格で安定して届ける。
取引先へ
流通や材料・設備の供給を担う会社にも利益が残り、次の供給や販売を続けられるようにする。
社員・自社へ
報酬として人に返す。事業に残した利益を、人の育成、設備、研究開発に使う。
関係図 / リーダー編 1頁

価値が生まれ、次の挑戦へ戻るまで

働きを選ぶと、関係する五つの言葉を読めます。

挑戦から実現へ 「壮絶な探究」

必要だと分かっても、そのままでは応えられない仕事があります。どこで何が妨げになっているかを現場でたどり、方法を変え、相手に役立つところまで確かめる。リーダー編はこの探究を、挑戦と実現をつなぐ核に置いています。

この巡環が生むもの 世のなかに役立つ→信用・信頼が蓄積する→事業が継続する

新築樹脂窓の事業で、成果が誰にどう戻ったかを読む →

言葉の索引 / リーダー編 2頁

30の言葉を、六つの働きから引く

各欄に、掲載号、リーダー編の言葉と意味、仕事に置き直した例を示します。

世の中の必要を見いだす5つの言葉

誰の仕事で何が起き、どこに支援の余地があるかを確かめる。

VOL 602

自身の目で確かめる

現場で事実に触れ、必要を捉える

仕事での例伝聞で済ませず、実際に仕事をしている人に会って何が起きたかを聞く。

実証モデルの①で読む →この言葉を企画で使う →
VOL 616

トンボの複眼

多面的に見て、本質と機会を見いだす

仕事での例同じ出来事を、依頼した人、受けた人、作業した人のそれぞれから見る。

実証モデルの①で読む →この言葉を企画で使う →
VOL 623

頭に絵を描く

役立つ姿を具体的に思い描く

仕事での例仕事がうまくいったとき、誰が何をできるようになるのかを描く。

実証モデルの②で読む →この言葉を企画で使う →
VOL 624

長期的な視座と大局観

目先に流されず、未来を構想する

仕事での例今日の一件を決めるとき、その後の関係や仕事全体への影響も考える。

実証モデルの⑤⇆⑥で読む →この言葉を企画で使う →
VOL 627

自然から原理原則を導き出す

ものづくりの土台を自然に学ぶ

仕事での例自然の仕組みをよく観察し、ものづくりに生かせる原理を考える。

この言葉を企画で使う →
他社がやらないことに挑む5つの言葉

役に立つと分かっていても、誰も手をつけてこなかったことを引き受ける。

VOL 608

新たな知見を求め続ける

既存の枠を超えて学び続ける

仕事での例今のやり方で解けないことを、別の仕事や分野を知る人に尋ねる。

この言葉を企画で使う →
VOL 609

答えのない状況を楽しむ

不確実さの中でも探究を続ける

仕事での例答えが定まらないとき、次に何を確かめると分かりそうかを考えて試す。

この言葉を企画で使う →
VOL 619

探究心と情熱

内側から湧く熱で挑戦を続ける

仕事での例自分がなぜ気になるのかを言葉にし、分かるまで繰り返し問い直す。

この言葉を企画で使う →
VOL 621

ゴンボの末まで知りたがる

根源まで問い続ける

仕事での例表に出た結果を手掛かりに、その前に何があり、なぜそうなったかをたどる。

実証モデルの③⇆④で読む →この言葉を企画で使う →
VOL 629

なしたもんだ

自分を問い直し、傲慢さを戒める

仕事での例一度成果が出ても、自分は何を分かっておらず、誰に支えられたかを振り返る。

この言葉を企画で使う →
他社ができないことを可能にする5つの言葉

何が実現を妨げているかをたどり、自分たちの仕事の仕方を変えて応える。

VOL 606

不易流行

不変の軸と変化への適応を両立する

仕事での例守りたい目的を定め、現場の条件が変わったときには方法を選び直す。

この言葉を企画で使う →
VOL 611

川上遡上主義

源流まで遡り、本質からつくる

仕事での例最後の工程だけを直しても解けないとき、設計や材料など起点までさかのぼる。

この言葉を企画で使う →
VOL 618

野戦の一刀流

現場で即応し、打開する

仕事での例想定と違う事態が起きたら、現場の事実を見て、その場で打てる手を選ぶ。

この言葉を企画で使う →
VOL 620

優しい発想のものづくり

相手への思いやりを形にする

仕事での例使う人がどの場面で負担を感じるかを見て、仕様や仕上げに工夫を加える。

実証モデルの⑦⇆⑧で読む →この言葉を企画で使う →
VOL 628

大いなる夢の具現化

理念を愚直に実現し続ける

仕事での例実現したい姿を日々の仕事に置き換え、うまくいかない点を直しながら続ける。

この言葉を企画で使う →
独自の仕事を担う人と組織を育てる5つの言葉

現場の人が判断して挑戦できるよう、考える時間、役割、支援を整える。

VOL 604

森林経営

個性を活かし、自律的に育つ組織

仕事での例異なる強みを持つ人に、それぞれが自分で考えて動ける役割を任せる。

この言葉を企画で使う →
VOL 612

考える余白

自発性を引き出す関わり方

仕事での例上司がすぐに答えを出さず、担当者が事実を考え、自分の案を出す時間をつくる。

実証モデルの③⇆④で読む →この言葉を企画で使う →
VOL 613

車座集会

語り合いを通じて哲学を共有する

仕事での例立場の異なる人が、経験した出来事と、そこで大切にした考えを持ち寄る。

この言葉を企画で使う →
VOL 614

一人ひとりが社長

高い当事者意識を持つ

仕事での例自分の担当する仕事について、なぜそれを選んだかを自分の言葉で説明する。

実証モデルの②で読む →この言葉を企画で使う →
VOL 617

黒子のリーダーシップ

前に立たせ、自らは後ろから支える

仕事での例担当者が相手と向き合って判断できるようにし、必要な準備や調整を引き受ける。

実証モデルの⑦⇆⑧で読む →この言葉を企画で使う →
社会に役立ち、信用を積み重ねる5つの言葉

今日の仕事が、相手の暮らしや地域の明日にどう役立つかを考える。

VOL 607

土地っ子になれ

地域に深く根差し、信頼を築く

仕事での例地域で働く人の声を聞き、その土地で長く必要とされる関わりを続ける。

この言葉を企画で使う →
VOL 610

地域社会との共生

社会貢献を繁栄の土台にする

仕事での例事業を進めるとき、地域の人にとってどんな助けになり、何を負担させるかを考える。

この言葉を企画で使う →
VOL 615

信用・信頼

目先より長期の信用を優先する

仕事での例目先の都合で約束を変えず、相手が安心して次の仕事を任せられるようにする。

実証モデルの⑤⇆⑥で読む →この言葉を企画で使う →
VOL 625

社会と幸福を結ぶ架け橋

事業を社会価値につなげる

仕事での例製品を渡した先で、誰の暮らしをどのように良くできたかを確かめる。

この言葉を企画で使う →
VOL 626

互いを認め合う組織

支配でなく自律で育つ関係

仕事での例相手の工夫や強みを認め、それを生かす次の仕事を本人と一緒に決める。

この言葉を企画で使う →
学びを継承し、次の価値へつなぐ5つの言葉

失敗や先人の経験から何を学んだかを残し、次の人が使える形で渡す。

VOL 603

失敗のケーススタディ

失敗を組織の財産として残す

仕事での例失敗したときの条件と判断を書き残し、次の担当者が同じ場面で参照できるようにする。

実証モデルの⑨⇆⑩で読む →この言葉を企画で使う →
VOL 605

次代を担う人財

挑戦する人を前線で育てる

仕事での例次を担う人が現場で考え、試して、その結果を引き受ける機会をつくる。

この言葉を企画で使う →
VOL 622

偉人の伝記や体験の昇華

学びを自分の哲学へ変える

仕事での例先人の経験を読み、自分が次に似た場面を任されたら何を大切にするかを考える。

この言葉を企画で使う →
VOL 630

創業者の言葉を自分の指針にする

哲学を自ら再構築して生きる

仕事での例受け継いだ言葉を、自分の現場で何を確かめ、どう決めるかに置き換える。

この言葉を企画で使う →
VOL 631

ザルをふるう

良いものを見極め、未来に残す

仕事での例過去の仕事を振り返り、次の人に残したい工夫と、変えてよい方法を選び分ける。

実証モデルの⑨⇆⑩で読む →この言葉を企画で使う →
実証モデルとの接点

相手の利益を起点に、本人に何を任せるか

エリアチャネル改革リーダーの研修・実践を7年かけて開発してきた背景には、この考え方があります。たとえば、元請から「早くて助かった」と聞いたら、営業に理由を教える前に、本人が担当者と一件をたどれる場をつくります。

研修で本人が考える誰の、何に間に合ったのか。

元請が助かった場面を一つ選び、当日その仕事を担った人に聞く問いを準備します。

現場の相手から学ぶ実際には、何を先に確かめていたか。

担当者の話を聞くと、最初の見立てと違う理由が出てきます。その違いが次に本人の確かめることになります。

30の言葉は、こうした仕事をどう見るかの手がかりです。モデルの①〜⑩は、本人がその判断を引き受けるための経験の順序です。各段階には、関係する言葉と実際の記録を併記しました。

新築向け樹脂窓で、施主・元請・流通店に価値を届けた仕事を読む →

善之巡環と実践記録

提案や受注の後で、誰の仕事を確かめるか

施主に代替案を届ける手順が決まった一件と、工務店から一括受注できた一件。相手が望んだことに立ち返ると、その後、誰に何を聞くかが見えてきます。

実践者A / 代替案を届ける手順

施主が選べるうちに提案が届くか

施主の希望に合う別の納め方が見つかった。流通店との会議で、営業が工事担当にほかの現場への影響を聞き、元請の予算・工期を確かめて、仕様を決める期限を添えて提案する手順が決まった。

次に確かめること 元請にはいつ代替案が届き、施主が選ぶ時間はどれだけ残ったか。記録で追えるのは、手順を決めたところまでです。

実践者Aの会議を読む →
実践者E / 一現場の一括受注

発注をまとめた工務店の手間は減ったか

対象の工務店は、残業とコストを減らしたいと考えていた。実践者Eはその事情を聞き、流通店が一つの現場で複数の資材をまとめて受注したことを確かめた。

次に確かめること その現場で工務店の手配や残業はどれだけ減ったか。流通店が次も引き受けるには、誰の時間がどれだけ要るか。

実践者Eの目標と受注結果を読む →

各事例の経過は本人の実践記録による。「次に確かめること」は経験設計のための問いです。

リーダー編 / 関係図と言葉の索引

「善の巡環」を動かす30の言葉の関係

リーダー編 ver3 の1頁には、六つの働きがどうつながるかが、2頁には、30の言葉の意味と掲載号がまとまっています。

表記と掲載号について

サイトの見出しには「善之巡環」、リーダー編の資料名と引用には紙面の表記「善の巡環」を用いています。言葉の掲載号と分類はリーダー編2頁に従っています。1頁の関係図では、自律して育つ働きを人と組織の育成にも結んでいます。